always〜第四楽章1〜

翔くん!おまたせ〜!!

両手に抱えきれないようなたくさんの花束を翔くんの車の後部座席に乗せる。

迎えに来てくれてありがとうって、言おうとしているのに、翔くんが焦ったように(おいでおいで)をしてきた。

慌てて助手席へと飛び乗った瞬間、翔くんがオイラに覆いかぶってきて、翔くんの綺麗な顔が街路灯の陰になる

お誕生日、おめでとう智くん

翔くんの唇が降ってくる。。

柔らかくオイラの唇に触れる優しいキス。

着いては離れ、離れては着ける。

小鳥の囀ずりのような翔くんとのキス。

日付が替わった瞬間は、智くんとキスして居たかったんだ。間に合った!

エヘヘって翔くん。。

大野。お前サービスし過ぎだ

皆さんの目の色が変わってきたぞ。

山岸さんみたいな事はないと思うが翔は?

松兄が聞いてくる。

うん。外の大通りで路駐してるって。

着いたけど仕事してるから急がないでいいからってさ。

大野それ、真に受けるな。誕生日に替わって最初に見るのは好きなヤツにしとけよ。

それとなぁ、大野。お節介だとは思ったんだが

ありがとう。松兄

翔くん。やっぱり、物わかりのいい顔してたけど、焼きもち妬いて待ってたみたいだ。

凄いお花だなぁ。大勢の人にお祝いして貰ったんだね。楽しかった?

うん。たくさんのお客さんが来てくれた。

松兄がケーキを手作りしてくれたんだよ!

でも、疲れちゃった。。

やっぱり、オイラ主役って苦手

運転中の翔くんの左手が、オイラの頭をそっと撫でる。

翔くんのその撫で肩に頭を乗せたいのに助手席と運転席とのスキマが恨めしい。

翔くんがオイラの手を取り、その甲に口付けする。早く部屋で抱き締めたいって

愛されてるオイラ、それを疑った事ないよ

でもきっと、もっと幸せになれるはず。

智くん。お風呂入っておいでよ。

その間に花束、水に入れとく。バケツしかないけどな。

そっか翔くん、もうお風呂済ましてたんだ

フゥ。スゲ〜緊張する

松兄ありがとう。教えてくれて

オイラ、翔くん傷つけるところだった。

念入りに身体を洗う

少しだけでも綺麗に見えますように

最後に冷たいシャワーを浴びる。気合いだ!

用意されていたスエットを手にしたが

地肌に薄手の白シャツに羽織る。

下はトランクスだけで

あっ、智くん。少しお酒に付き合っ

翔くんの笑顔が固まった。。