君と紡ぐとき13

して、チェ尚宮あの噂はまことなのか?

王は、ヨンが康安殿を後にした後にチェ尚宮に聞いた。

王様、噂と申しますのは?

ジニョンという女子おなごは、

大護軍のかつての許嫁に瓜二つという噂だ

王様そのことにつきましては、

私もまだ、確認が出来ておりません。

甥が大護軍が捕縛し、尋問の際に

確認できるかと思います。

ところで、チェ尚宮

義姉君は、知っておるのか?

そのジニョンという女子おなごが、

かつての許嫁に瓜二つということを

何も知らず、乳母を捕縛となれば、

あの嫁のこと。

甥に食って掛かるに違いなかろう。

それこそ、人質に捕らわれかねぬ

甥のことでございます。

はじめは隠しておりましたが

しかし、嫁も鋭い女子おなごでございます。

甥も、今日、捕縛のお許しを頂くつもりでおった様子。

全てを嫁に話した上でのことかと思います。

チェ尚宮は、少し考えてから、王に答えた。

そうか

いや、義姉君が、お心を痛めておいでではないかと

義姉君は、己の辛さ、悲しみ、寂しさを、全て、

笑顔の下に隠されてしまう

故に、此度の謀は、断じて許せぬのだ。

大護軍の心を惑わし、わが義姉君の心を煩わせ

そのうえで、高麗に挑んでくるのであろう

チェ尚宮

義姉君を支えて差し上げよ

良いな?

王様

有難きお言葉しかと承りました。

チェ尚宮は、王のウンスを思いやる心に、

胸を熱くした。

チェ家の屋敷。

ヨンは、チュホンに跨り、平静を装い屋敷に戻ってきた。

出迎えにきたパソンに、チュホンの手綱をわたしながら

小声で状況を伝えた。

今から、ジニョンを捕縛する。

奥と子は?

はい。クァン様とミョンウォル様とご一緒に、

居間に居られます。

ご指示の通り、ジニョンから離しております。

わかった。

間もなく、迂達赤が数名こちらに到着する。

恐らく、かなりの手練れであろう

少、手荒なことになるかもしれぬ。

俺が、合図するまで普段通りに

決して気付かれるな!

ヨンは、パソンに伝えると、一転して声を大きくした。

クァンが来ていると知らせがあったが?

はい、旦那様。

奥様の往診にいらしておいででございます。

本日は、ミョンウォル様もご一緒でございます。

パソンも、ヨンの話に合わせて声を大きくした。

大護軍

テマンが、いつの間にか、

屋敷の門から入ってきて声をかけてきた。

テマン。屋敷の周りの犬の事か?

あはい。

裏に回しておけ。

番犬になりそうな奴は、こちらに連れて来い。

イェ!大護軍。

ヨンは、迂達赤の配置について、テマンに伝えた。

テマンは、そのままをトクマンかチュモに伝えるべく、

屋敷から駆け出した。

ヨンは、一度屋敷の中へ向かうと

ウンスとウォンソンのいる居間へと入って行った。

クァン!

昨日も言っておいたはず!

治療には、俺が必ず立ち会うと!

何故、俺に知らせずにまいったのだ?

ヨンは、クァンに向かって苦言を呈しているかのように

居間の中まで入って行った。

これは、大護軍殿。

皇宮からお戻りでございますか?

クァンがわざとらしくいうと、

互いにニヤリと笑みを浮かべた。

そして、ヨンは、ウンスとウォンソンのもとに近づき、

ウンス

ジニョン捕縛の王命が下されました。

危険ですので此処から動かずに

よろしいですね?

すかさず抱きしめ、ウンスに告げた。

えぇ、ミョンウォルが教えてくれたから

心配しないで

私は、此処で、ウォンソンと一緒に待ってるから。

それに、ほら

皆が護ってくれてるから

ウンスは、緊張で蒼褪めた顔で微笑んで見せた。

必ず、護ります。

ヨンは、もう一度しっかりとウンスとウォンソンを抱きしめた。

おい、ヨン。

そろそろ、始めようじゃないか?

お仲間も、到着したようだしな

クァンが、表に待機している

迂達赤の気配を察知していった。

そうだな

クァン、ミョンウォル!此処は頼んだ。

では、参る!

ヨンは、鬼剣をガチャリと握りしめると、居間の扉をあけた。

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ドラマシンイの2次小説です。

私の想像の世界です。

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byjunjun